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2021.09.13

二世帯住宅で失敗しない間取りとは?

二世帯住宅で間取りづくりが原因の失敗が非常に多いです。間取りをしっかりと計画することで、ご家族の距離感や関係性、ライフスタイルに合致したトラブルの少ない二世帯住宅を取得することができます。

今回のコラムでは、二世帯住宅で失敗しがちな間取り例を3つとりあげながら、その対処方法もあわせてご紹介します。

二世帯住宅で失敗の原因とは?

二世帯住宅の失敗の元(=原因)となるものは、各室の配置(=ゾーニング)です。ゾーニングとは、具体的な間取りのレイアウトを決める前に、建物のどの位置にどの機能を配置していくかを決めるプロセスです。具体的に言うと、お風呂や、トイレなどを設けるゾーン、LDKを設けるゾーンなどを必要な大きさや並びを考慮しながら検討することです。これは、すなわち間取り(=プラン)に直結してきます。建築設計の業界では、ゾーニングとプランニングは異なるプロセスとして考えられます。つまり、ゾーニングが適切に行われていれば、大きなトラブルにつながりにくいと言えます。

二世帯住宅で失敗しがちな間取り3例

二世帯住宅の間取りでよくある失敗は次の3つです。

・水回り(=特にトイレ)の配置

・親世帯と子世帯の住み分け

・寝室の配置

これら3つの失敗は、計画段階ではなかなかイメージがしづらいポイントです。特に、寝室の位置はあまり深く考えずに計画される方が多くいらっしゃいます。

水回りの配置で失敗

二世帯住宅のゾーニングの失敗の1つ目、水回りの配置について解説していきます。建築設計において、お風呂、トイレ、洗面・脱衣室は1つのまとまりとして計画しゾーニングを行うというのが基本です。しかし、二世帯住宅の場合では、高齢の親世帯がトイレにアクセスしやすいように、メインの居室(=特にリビング)の近くに独立してトイレだけを設ける場合があります。

これは、計画段階では、良さそうに思えても実際に生活が始まると問題になってしまう要因の1つとなることが多いです。メインスペースに隣接する形で独立したトイレを配置してしまうと、音や匂いなどが気になってしまうという問題が起こってしまいます。二世帯住宅はその名の通り住宅(=生活の拠点)です。二世帯住宅に慣れていない設計者の方だと、よかれと思ってこのような計画を提案されることがありますが、ご家族の強い要望がない限り、私たちはおすすめしません。

二世帯住宅で失敗しない水回りの配置は?

先述の通り、建築設計においてお風呂、トイレ、洗面・脱衣室(=洗濯機置き場)などの水回りはひとまとめにして、配置することが基本です。親世帯がトイレへアクセスしやすいように配慮したいという場合は、主要な居室の近くに設ける場合でも、廊下を経由したり、洗面・脱衣室からトイレにアクセスできるようにしたりなど、トイレにアクセスする前にワンクッション入るような間取りにしてみましょう。こうすることで、音や匂いが気にならなくなり、親世帯に限らず子世帯にとっても使い勝手がよい水回りとなります。

さらに、水回りをひとまとめにすることでPS(=パイプスペース)も無駄なく配置することができます。PSとは排水管などの通り道のことです。PSをうまく配置することで、メンテナンス性が高くなり、排水管を水が通る音などが気にならなくなることにつながります。

親世帯と子世帯の住み分けで失敗

二世帯住宅を検討している方の頭を悩ませるのが、親世帯と子世帯の住み分け方をどのようにするかということではないでしょうか。住み分けを考える際に重要になってくるのが、二世帯住宅の間取りタイプの選択です。二世帯住宅の間取りのタイプは大きく次の3つがあります。

・完全分離型

・部分共有型

・完全同居型

これらの二世帯住宅の間取りタイプの中からどちらを選択するかは、ご家族のライフスタイルやご要望との兼ね合いで大きく変わってきます。したがって、どの間取りタイプを選ぶのがベストかどうかは、実際にヒアリングを通していく中での判断になってくるというのが、正直なところです。私たちの経験上、トラブルを回避するためには、ご家族にピッタリ合った二世帯住宅をつくるのが一番よい方法です。

二世帯住宅では親世帯と子世帯のベストな住み分け方を断言するのは難しい

二世帯住宅において、親世帯と子世帯のベストな住み分け方を断言することは難しいです。二世帯住宅の完全分離型の間取りを選ぶ場合は、横割り型なのか縦割り型なのかを検討する必要があったり、部分共有型や完全同居型の場合は、住宅内での動線を細かく想像して計画したりしなくてはなりません。

このように、どの間取りタイプを選択しても住み分け方をよく検討しなくてはならないのです。特に二世帯住宅の間取りタイプの中で人気があるのが完全分離型の間取りです。インターネット上の様々な記事で完全分離型が良いとされていますが、住み分け方や将来的な売却、賃貸利用など、様々な点で意外な落とし穴もあるので、二世帯住宅の完全分離型をご検討されている方はこの機会にあわせて理解しておくと良いかもしれません。

住み分け方で失敗しないためのポイントは?

親世帯と子世帯の住み分けを考える際に大きなポイントとなるのが、階段の計画です。

特に人気がある二世帯住宅の完全分離型の間取りで横割り型(=1階と2階で住み分ける場合)を選んだ場合、親世帯が1階、子世帯2階になる場合がほとんどです。しかし、中には、「せっかく住宅をつくるのだから、どうしても庭にアクセスできるようにしたい!」という強い要望から1階に子世帯、2階に親世帯という住み分け方を選ばれる方もいらっしゃいます。

二世帯住宅を計画する際は、将来的に親世帯の介護が必要になる場合を想定しておくほうがよいです。特に階段は高齢になると上り下りが大変になってしまいますし、介護が必要になった場合は、親世帯を介助しながら階段を上り下りするのも非常に大変です。二世帯住宅の住み分け方を検討する際には、階段を始め、玄関や廊下といった動線を細かく整理していくことが重要です。

寝室の配置で失敗

二世帯住宅の間取りの計画段階であまり気づかないのが、寝室の配置です。設計図や模型上では、親世帯と子世帯の寝室が近くてもあまり気にされることはありません。

しかし、実際に生活していくと寝室の配置は非常に気になります。二世帯住宅を検討されている多くの方が、予算的な条件(=補助金なども含む)から木造の二世帯住宅を選ばれます。

そして、木は音を伝えやすい材料の一つです。予算に余裕があり、遮音性能などに配慮した仕様を選ばれる場合は特に問題にはなりませんが、あまり遮音性能にコストをかけられない場合には親世帯、子世帯の寝室の配置に配慮する必要があります。

二世帯住宅で失敗しない寝室の配置は?

二世帯住宅の寝室の配置を失敗しないためには、親世帯と子世帯の生活習慣を想像しながら寝室の位置が建物内で隣接したり、上下階で重なったりした場合にどのような問題が生じる可能性があるのか、評価をしながら計画すると良いでしょう。二世帯住宅の間取りをご検討の方は、見落とされがちな寝室の配置についても今一度確認してみてください。

二世帯住宅のよくある失敗やトラブル

今回のコラムでは、二世帯住宅の間取りを検討する際によくある失敗例をご紹介してきました。しかし、二世帯住宅で失敗してしまう間取り例は上記3つ以外にも、収納、玄関、お風呂、洗面所、リビング、ダイニング、キッチン、駐車場など、それぞれの室ごとに存在します。

二世帯住宅は1つ屋根の下で暮らす人数が増えるだけでなく、子どもからお年寄りまで年齢層の振り幅も大きくなります。そのため、一戸建て住宅を考える時以上に様々な配慮をしながら設計をしなくてはならないのです。

お金のトラブルはよくあるのでご注意ください

二世帯住宅のメリットの一つに親世帯と子世帯が経済的に協力して建物を建てられることがあります。しかし、どちらかの世帯が全額負担したり、ローンの支払いがまだ残っている段階で親世帯がなくなってしまったりなど、経済面での失敗も場合によっては発生します。

お金のトラブルはどう回避する?

二世帯住宅を新築する際に、親世帯がいくらか費用を負担することもあるかと思います。しかし、有事の際の金銭的な負担は基本的には将来的に長く住むことになる子世帯にかかってくる場合が多いです。

新築時の費用だけに注目せず、屋根や外壁が劣化した際のメンテナンス費用や住宅設備を刷新する際のリフォーム費用、さらには税金まで子世帯が負担する場合が多くなるということを事前に想定しておくことが重要になってきます。

ご予算の都合で費用負担について話し合う必要がある際には、例えば、親世帯と子世帯の各世帯の占有面積に応じて費用を負担したり、世帯ごとの年収をベースにして費用負担の割合を考えたりする方法などを提案してみるのが良いかもしれません。

中古の二世帯住宅をリノベーションする際のよくある失敗

二世帯住宅を中古で購入することを検討される方も少なくありません。私たちにご相談される方の中には中古の二世帯住宅をリノベーションしたいという方もいらっしゃいます。

リノベーションの場合には工事が始まってから、図面と現況の建物の躯体構造に不整合の箇所が見られる場合などの想定外のトラブルが発生してしまうことがあります。このようなトラブルが発生してしまった場合、工期が延びたり、余計な工事費がかかったりなどの失敗をしてしまうことが多いです。私たちも、既存建物をリノベーションした二世帯住宅のご相談をお受けしていますが、リスクを最小限に抑えたい場合は、新築で二世帯住宅を計画されることをオススメします。

中古の物件を増築して二世帯住宅にする際によくある失敗

既存の戸建て住宅を増築を前提として購入する場合には、注意が必要です。なぜかというと、増築を行う場合には、様々な手続きが発生するからです。そして、その手続きを行う際には提出を求められる必要書類がそろっていることが条件になってきます。

書類に不備があることで、中古物件を当初の計画通りに増築できないなどの場合もありますので、中古物件の購入の際には注意が必要です。増築を検討されている方は、私たちのような一級建築士事務所に相談するとよいでしょう。

二世帯住宅の間取りや設計・リノベーションでお困りの方

私たちドキアーキテクツは二世帯住宅の設計実績のある一級建築士事務所です。ご家族の生活に合致した完全オリジナルの間取りの二世帯住宅をご希望の方は是非ご相談ください。また、私たちは一級建築士事務所として、法律や技術など建築に関する専門的なノウハウを駆使してお客様の二世帯住宅づくりを徹底的にサポートいたします。さらに、私たちは日本国内、ヨーロッパやアジアなど各国のデザイン賞の受賞暦に裏付けされた高いデザイン性も備えております。限られたご予算の中で、最上級の二世帯住宅を作りたいという方は、下記のフォームよりお問い合わせください。


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