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2021.08.20

ショールームの設計デザイン:みんなの集まるショールームができるまで

みんなの集まるショールーム、はじまります。

「近くに住む人たちにも貢献できるようなショールームをつくりたい」 これがクライアントから最初にいただいたきっかけです。クライアントはリフォーム会社を起業して念願の初のショールームです。やりたいこともいっぱいある中で自分本位ではなく、周囲のことも考えた、地元に根ざしたショールームの設計デザインを希望されました。その信念は非常に素晴らしいもので、その心意気に答えたい。ここから、みんなの集まるショールームがはじまりました。

白河市についてリサーチ

「相手のことをよく知り理解する。」私たちが設計デザインをするときに大切にしていることです。

まずは建物の建設地となる白河市についてリサーチしました。これは私たちが取り組んでいる3Sサイクル(スタディ、スキーム、ソリューション)の入口部分のSTUDY(調査、研究、分析)となります。3Sサイクルとは調査、研究、分析→計画、企画、戦略→問題解決型の提案を繰り返すことによって、最適な提案を導くための私たちのデザインプロセスです。

スタディの部分では、具体的には①~⑤のような調査から始めていきます。

①白河市の客観的なデータを入手する。(人口動態)

②リフォームの業界について理解する。(産業構造、競業他社)

③あっとリフォームの会社の経営者、従業員、関連会社について理解する。

④白河市の地域特性、人、伝統、都市の状況を理解する。

⑤ショールームがつくられる、敷地周辺の環境を理解する。

白河市について調べていくと非常に魅力的なことがわかっていきました。

ショールームの敷地を選びに行ってきました

みなさんは敷地選びに設計者を連れていった方が良いと考えますか?

新築でも中古でも賃貸でも、もし気になる設計者がいるようであれば、同行してもらうことが非常に大事です。建築設計者の立場から敷地を選ぶ上で大事なことは2点あります。

一つはその敷地がお客様の要望をかなえられる建物のスペックを持っているかどうか。

もう一つは魅力的な立地条件であるか。

どちらも住宅なのか、商業施設なのか、もっというと、お客様の考え方ごとによって答えは変わってきます。私たち設計者はお客様の思考を整理して、最適な答えを出せる立場だと思っています。

さて今回のショールームは駅近くの敷地ではなく、駅から少し離れた敷地で、ロードサイド沿いの元々コンビニだった建物を選択しました。

リフォーム業のショールームの役割について聞いてみました。

住宅リフォーム会社のショールームは皆さんどのようなものを想像するでしょうか?

フローリングなどの建材やキッチン、トイレ、洗面台などの商品がたくさんレイアウトされていてそちらの商品をお客さまに確かめてもらう。

それが一般的なイメージだと思います。私たちも最初はそのような使いかたのイメージだけを持っていました。もちろん、そういった側面もショールームには必要ですし、大事にしなくてはいけませんが、それとは別にショールームの利用率の低さが気になりました。というのも、ショールームのお客さまの利用は土日がほとんどで平日は利用しない上に、ほとんどが予約して来店するとのお話しでした。また、平日、休日共に飛び込みでショールームに来店されるお客さまはほとんどいらっしゃらないとのことでした。

ショールームの特質を考えるとしょうがないとも思えますが、これでは少し空間利用の観点から考えても、もったいない気がします。その部分をどのように利用するのかが今回のプロジェクトの大事な部分になるのではと思いました。

また、リフォームの営業方法の特徴として、ショールームを利用した特徴的な営業スタイルがあります。私たちは祭り営業と名付けました。

物件の現況調査にいってきました

「お互いの思いを共有する意味でも現況の図面は非常に便利です。」

専門家と一緒に現況調査をするメリットは、

①デザイン・ビジネス面

②インフラの確認

③法律の確認

などが挙げられます。これらの観点からあっとリフォームの敷地、既存建物建物の状況を把握すると、立地条件や設備環境の条件、法律の条件が必ずしもネガティブな要因になるとは限らないことがわかりました。

むしろ、ショールームを設計する上でのデザインの手がかりになることが多くなります。また、コストやスケジュール感の把握にも役立ちます。設計者がクライアントと共に現況調査にいくことでよりクリエイティブな意見交換やお互いの思いを共有することに繋がるのです。

ショールームデザイン案のコンセプトを模型で説明しました。

「本当に商品を前面に置かなければいけないのか、それがリフォーム会社のショールームにとって一番大事なことなのか?」これは私たちがショールームのデザイン案を練っているときに常に考え続けてきたことです。

今回のショールームの設計で喜岡社長と最初に話していた構想は「地域に貢献できるショールーム」です。私たちは今回のショールームの設計にあたり競合他社のショールームの状況を調査していました。そこでは、展示品が前面に押し出されるような形で展示されていました。

これはショールームを運営することで当たり前のことなのかもしれません。しかし、僕たちと喜岡社長で作り上げようとしているショールームの形としてはどうなのでしょうか?そんな当たり前のことを疑うことで、既存のショールームには見られない全く新しいショールームの形をデザイン案のコンセプトとして考えつきました。私たちはそれを模型に起こし、喜岡社長に説明しました。

ロゴとネーミングは重要です。(CIの提案について)

「ショールームを新たにつくるということは、第二の創業のようなものと考えています。」

企業の今後10年を新たにスタートさせる上で、なぜブランディングが重要なのでしょうか。私たちは設計事務所としては珍しく、CI(コーポレートアイデンティティ)やVI(ヴィジュアルアイデンティティ)の提案まで行なっています。

例えばファッションのコーディネートではブランドもののバッグ一つで全てが完成するわけではなくトータルでコーディネートを考えますよね。今回のあっとリフォームの場合もショールームを作っただけでは、まだたりません。

CIやVIといった企業の根幹となるところから現代のニーズに合うようにトータルコーディネートをしていくことによってその効果を最大限に引き出すことができるようになるのです。私たちは、企業に寄り添いその企業の根幹となっているところから、1から考えます。その中でもロゴやネーミングといった部分は簡単に決めずにプロに仕事を依頼することが重要になってくるのです。

ここでは、私たちがアートディレクターと共に提案したロゴやCIについて書かれています。

ショールームのファサード、カラースキームの提案をしました

「あっとリフォームらしい知らせかたって何だろう?」

私たちはこの問いに対して、デザインで応えなくてはいけません。あっとリフォームのショールームのデザインにもっとも適したデザイン、伝えかたとは一体どのようなものなのか、私たちは看板や広告でありながら企業や地域のCI(コーポレートアイデンティティ)を感じることができるものを実現することだと考えました。

喜岡社長の考え方は、特に地域を思う気持ちが強いので、地域の思いがそのままファサードとしてデザインされることが大事です。一見難しそうに思われますが、ここまで二人三脚で進めてきていることと、企業コンセプト、ロゴ全て並行して進めてきているので、実はファサードデザインの方向性に関しては比較的、早く決めることができました。また、カラースキームについてもあっとリフォームらしさを追求し考えました。建物(ハコ)だけでなく、ロゴ(モノ)だけでもなく、全てにあっとリフォームらしさを追求するために考え、最終的なフェーズへと向かって行ったのです。

ランドスケープとしての植栽設計について

「皆さんが来やすいように、居心地がよくなるようにランドスケープに力を入れることは大切なことのように思います。」

「建物の外構デザインってなに?」

みなさんも、建物のデザインにおける外構のお話はあまり聞いたことがないのではないでしょうか?その前に外構という言葉が聞きなじみがないかもしれません。一般的に外構とは、建物について来る、フェンスや塀、土間、ウッドデッキ、庭、植栽のことをさします。例えば大きな規模の公園であったり、公共施設であれば、ランドスケープとしての外構のお話が出て来る場合もあります。なるほど、確かに大きな公共施設や公園は皆さんの税金で作られて運営されています。皆さんが来やすいように、居心地がよくなるようにランドスケープに力を入れることは大切なことのように思います。それでも、現在の公園や公共施設などのランドスケープは建物や地域と調和していないように感じているものもあります。

しかし、そのようなランドスケープのお話は公共の施設だから必要になってくるものなのでしょうか?

私たちはそんなことはないと考えています。外構デザインを含めて建物を設計する必要性を感じていると共に、おもてなしの心を持つ企業こそ積極的に取り組むべきことだと思います。本来であるなら外構デザインはもっと楽しく建物や地域と調和するべきですし、外構部分は唯一道路と接点が持てる場所なので、敷地が広い建物はどのように外構デザインをするかによって、企業の社会的な態度を示すことになります。

ショールームのプロモーション動画について

「見てくれる人が面白く自然に会社のコンセプトを感じ取ってくれるような、表現することができる動画にしよう。」

商品にのみフォーカスした商業的な動画ではなく受けての立場にたった動画が本当は大切です。

ドキアーキテクツでは動画も制作することができます。中小企業の動画広告は商品の紹介だったり会社の紹介にフォーカスしてしまいます。または商品のコンセプトやデザインに特化したような動画かの極端なものがほとんどです。その原因は明らかです、動画を見てくれる人の気持ちを考えていないのです。本来なら製作の部分を、もう少し相手の視野にたって製作するべきだと思います。 私たちが製作する動画では、見てくれる人が面白く自然に会社のコンセプトを感じ取ってくれる動画にしようと考えました。

ショールームのweb作成について

「個々のプロジェクトにあった最適な形を見つけ出すことがデザインだと考えています。」

あっとリフォームの企業としての成長のために。

当たり前の話ですが設計事務所はホームページを作りません。

しかし、僕たちドキアーキテクツでは、デザインの力を最大限に引き出すためWEBページの制作も行なっています。実はWEBページの制作だけではなくSNS運用、SEO対策もできます。コンバージョンするキーワード検索、ボリューム検索、アクセス解析、ライバルとの比較などなど、5つくらいのツールを使い分けています。手前味噌ですが僕たちはSEO対策会社よりも集客の結果を残しており、WEBサイトの運用や分析に自信を持っています。

ただ、これらのスキルはお客様本意で考えていたら自然と身についたスキルです。せっかく素敵なショールーム作ったのならホームページも素敵に作りたいと思うのが自然なことなのではないでしょうか。

ただし、私たちはただ格好良く制作することがデザインだと考えていません。その個々のプロジェクトにあった最適な形を見つけ出すことがデザインだと考えています。

ショールーム完成PRイベント(オープニングイベント)

建物が完成しオープニングイベントをすることになりました。

私たちは喜岡社長と一緒になってイベントの企画を考えました。普通のリフォーム会社のイベントとは少し違うイベントにしたいという話から、広告的なイベントとしてだけではなく、CI(コーポレートアイデンティティ)にもあるような生活や地域もつくるようなイベントをつくっていこう。という話になりました。「生活や地域もつくるようなイベント。」そんなイベントをつくりたいという喜岡社長の思いに応えるため、私たちはタネ団子ワークショップを提案しました。タネ団子ワークショップでは、地元の人たちが日々の生活の中で利用する道路沿いの花壇に地元の人たちと一緒にタネの団子をつくって植えました。「トイレやキッチンを新しくするだけではなく、暮らしそのものや人との関わりも変えていき、生活や地域もつくることを大切にしたい。」

このオープニングイベントでは、そんなあっとリフォームの思いをしっかりと受け取ってもらえたのではないかと感じています。

みんなの集まるショールーム、賞受賞

「普通のリフォーム会社とは少し違ったリフォーム会社、あっとリフォーム。」

建物も完成し、地域支援活動など、リフォーム業だけにとどまらない活躍をしていたあっとリフォーム。喜岡社長と私たちはより多くの人にあっとリフォームのことを知ってもらいたいと思うようになっていました。

そして、「Iconic award」という国際的に権威のある賞に応募することにしました。そして、ちいさな地域で奔走するあっとリフォームの取り組みやデザインの意義が評価され、あっとリフォームは「iconic awrd(アイコニック・アワード)」を受賞しました。さらに、「iconic awrd(アイコニック・アワード)」受賞したことで、ドイツデザイン評議会から推薦を受け「German Design Award(ドイツデザイン賞)」にノミネートされました。あっとリフォームではアイコニックデザイン賞を受賞していることからノミネートのお知らせが来ました。

そして、その中でも審査員特別賞を受賞することができました。

ドイツデザイン賞はノミネートされるだけでも難しく非常に難易度の高い格式の高い賞のため「賞の中の賞」と評されているそうです。

ドイツデザイン賞のWEBをみると、ドイツデザイン賞はドイツの数あるデザイン賞の中で一番注目を集めるアワードがGerman Design Awardとのことです。

今後のデザインの未来を指し示すプロジェクトが選ばれるそうです。 ドイツデザイン賞は世界で最も名誉の高いデザイン賞でその受賞者はその後の国際的な成功が約束されるとのことです。こうしてあっとリフォームの取り組みは世界にも認められるまでに至ったのです。


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